辻仁成さん

彼の小説は読んだことがなく、音楽も聴いたことがありません。

数年前、中山美穂さんとの離婚騒ぎの頃に偶然テレビのバラエティ番組で話しているのを聞いて、チャーミングな人なんだな、と人柄に惹かれました。離婚直後という時期に、興味本位の質問をおおらかに受け止めて、つらさや寂しさも臆せずに語り、誰かを責めたり貶めることは決して言わず、ユーモアにあふれてるけど、はしゃぐというのでもなく。

次は、しばらく前に、彼が息子につくる料理をインスタか何かに上げている、という記事をネットで目にしました。詳しくは覚えてないのですが、愛する人に出て行かれた後、寂しさの中、とにかく息子のため一生懸命に料理をして、それをSNSにただ上げ続けていた、みたいな話。

そんな心の内もオープンにできちゃうってすごいな、と思ったのと、気負いのない語り口がまたチャーミングだなと思いました。


ここ数年、全然料理をしなかったわたしが急に料理を楽しむようになりました。

それに伴って、作ったもの・食べるものを撮りたくなる癖が発症しました。

いつ撮っても不味そうで、お皿の色かなあ、料理の彩りかなあ、照明かなあ、背景かなあ、盛り付けかなあ、と考えるものの、そこの改善の意欲はない。一人暮らしなので、愛情表現でもないし、だけどなんとなく、辻さんの心境と似たものを感じていました。それは何だろう。


ふと、辻さんは、息子に。わたしの場合は、わたしが、わたしのために。それも一種の愛情表現かもしれない、と思いました。自分を大切にしてあげることの表れ、でしょうか。

それをSNSで公開したところで、道端に置いた小石のように、確かに人の目にはさらされてるけど誰も存在に気づかない、見えるけど見られていない。だけど、道に置いたこと自体が、社会とつながる意思を示しています。だから置いた時点で目的は達成なのです。

(写真はグラナダで食べたいまいちなパエリアとおいしいアルハンブラビール)


なんて非生産的なことを、一日中こもって仕事してる合間にぼんやり考え、原稿書きの息抜きにこうして書き散らしています。



Who do you cook for today?

Who cook for you?

Who eat dinner with you tonight?

Who do you live for?

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